カサブランカ
はじめまして。色無垢(いろむく)と申します。
私はどちらかというと一人で趣味を嗜んでいる身ですが、少しくらい共有できたらいいなということでブログを書いてみることにしました。
本当は日常生活でワイワイ出来たらいいのですが、如何せん私の趣向が渋すぎるものでして…あとはお察し願います。
ということで早速一本目に参ります。
映画「カサブランカ」です。
ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマンの共演で、映画史に今も名を残す名作中の名作と言われています。
ここでは、素人目線であるいは現代人目線で気になったことをコメントしていきます。
目次
(1)「君の瞳に乾杯」
(2)シガレットケース
(3)手紙
(4)最後に
さて、あらすじをと言いたいのですが、正直正確に書き表せそうにありません。そして、とてつもなく長くなりそうです…。どうしても知りたい方はウィキってください。
(1)「君の瞳に乾杯」
「カサブランカ」=「君の瞳に乾杯」と言っても過言ではないくらいの名言だそうです。それくらいは前知識がありました。(それしか知らない)
それだけの名言をどのように言うのかを注視しながら見ていました。
劇中では全部で4回。そのどれもがあっけないほどサラリとしている。どれもハンフリー・ボガート演じる「リック」がイングリッド・バーグマン演じる恋人の「イルザ」に向けてのセリフです。恋人に向けての特別な愛の言葉というよりは、2人だけに通じる合言葉のような印象でした。ほんの挨拶みたいな。
「名言」であることを知らなければ聞き逃しそうでした…。当時の方はすごく繊細なところに気が付いていたんだなあと思います。
ちなみに英語では"Here's looking at you,kid."と言っています。
(2)シガレットケース
「カサブランカ」が公開されたのは1942年。戦中です。
戦前、戦後を問わずこの時代のころは容赦なくスパスパと吸っています。それ自体時代の違いを感じるのですが、私が目を引きつけられたのは「シガレットケース」です。
名前が正しいかは分かりませんが、要はタバコ用の金属製のケースです。劇中では「リック」がスーツの胸元からケースを取り出し、パカッと開いて一本抜き取り火をつけてからケースをまたスーツの内ポケットに戻すという仕草が見られました。
現代では世界中で禁煙が進み、「タバコ」というものはぞんざいに扱われている社会になっている最中だと思います。しかし、過去のハリウッド作品を見ると、「タバコ」は社交場必要なアイテムとして度々描かれています。
別作品になりますがキャサリン・ヘプバーン主演の「フィラデルフィア物語」では、客を招いた際に喫煙者と見ると、リックが持っていたようなケースからタバコを取り出し、「どうぞ」と当たり前のように差し出すのです。そしてケースから抜き取られたタバコというものはどれも真っ直ぐピンとしているものです。いつ見ても見惚れてしまう美しさですね。ただのタバコなのに不思議。
タバコに関するシーンはどれも新鮮に感じて面白いです。
(3)手紙
手紙は劇中でイルザからリックに向けて書かれたものが出てきます。2人はラブラブな恋人生活をパリで送っていましたが、間もなくナチスによってパリが陥落するという時にパリを出ていくことになりました。明朝の列車に乗るために駅で待ち合わせる約束をしていたのですが、イルザを迎えに行ったサムという友人からリックは手紙を受け取ることになります。
そこにはこう書いてありました。
「もうあなたと会うことはないでしょう」
別れの言葉でした。
その日は土砂降りの雨がとめどなく降っていました。
リックの手にしていた手紙も雨に打たれて濡れていきます。
そして、文字のインクはドロドロに溶けて形を失い、黒い雫が滴り落ちていきます。
それはまるで、手紙が泣いているようでした。
イルザが泣いている姿と重なりました。
私が最も心を打たれたシーンです。
シーン自体はあくまでも回想の一部で、ストーリーのメインとはそれほど関係ないところです。
しかし、現代を生きている私からすると、インクが文字の形を失うほど溶けてしまうこと自体が衝撃の映像でした。現代は本当に便利です。インクはあっという間に乾きます。擦っても濡らしてもじわあと滲むくらいです。
昔ながらの表現(当時は当たり前の光景かもしれないけれど…)に思わず心が掴まれました。これから先お目にかかることはほぼないだろうことを思うと、あのシーンは実に貴重です。ちゃんと自分の目で見ることができて良かったです。
(4)最後に
この作品を一言で言い表すなら「難しい」です。
作品の世界観も、登場人物の行動心理も、セリフも、セリフを聞き取るのも中々に難しいです。
素人的には話を追いかけるのが精いっぱいでしたが、間違いなく名作なので、見ておいて損はないと思います。イングリッド・バーグマンの美しさは一度は見てほしいですね。
それでは